yukiuta235の日記

クソブログです。エロゲとアイドルと、ごく稀に読んだ本の話をするかもしれません。

世界ノ全テ

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前2作品に比べると少し知名度は劣りますが、十分名作と称して申し分ない、世界ノ全テのご紹介ですよ。

前回の次回予告はなんだったんだと言わんばかりの全く違うタイトルが出てきましたが、いやね、アレですよ。超メジャーの作品ばかり紹介するのも面白くないなと。いや、同年代のエロゲーマー的には恐らく通ってるであろうエロゲではあるんですけども。

なんというか、いつまでこの作品に囚われてるんだろうなっていう製作陣の影が見え隠れしないでもないですが、それは各々で調べて、各々で結論を出して頂ければいいかなと思います。

閑話休題。えー、内容を申し上げますと、青春一直線を綺麗に書ききった清々しい作品だと思ってます。

家庭内で居場所を失っている主人公が、転校で8年ぶりに地元の街へ戻り、そこで旧友を中心に新たなネットワークを生み出し、自らの居場所を見つけていく、というのがアウトラインです。が、本番としてはその後に恋愛に発展してうんぬんかんぬんみたいな感じです。何か外面だけ言うとすっげーオーソドックスやな。いや、オーソドックスなんだけど。

メインヒロインというか、ほぼこの子に為だけに作られたゲームといっても過言ではないのが、同じく転校生の小西智子。彼女も諸事情で家庭に居場所がなく、同じ孤独を抱えた同士が、同じくなんとなく流れで入部した軽音部を通じて、少しずつ近づいていき、そして結ばれて、みたいな。

また急に話は変わりますが、青春といっても様々な形があります。それは部活を通じての仲間との交流だったり、恋愛だったり、親しくなった友人たちとの本気のぶつかり合いだったり。

そういうのをギュッと詰め込んでるのが、本作品です。そこに一切の逃げはなく、多分今やり直すと、やった当時と全然違う感想を持ったりするんだろうなーなんていう感慨を持ったりしてます。今書きながら。

 

この作品、無印、remind of you、全テノ全テ、と3つほどバージョンというか分かれてるんですけど、一般的にはremind of you、royが評価されているというか、完成品とされています。ノ全テはなんというか、未だに消化しきれてなかった部分を全部書ききった、ファンディスク的な立ち位置と考えてもらっていいです。

で、で。この辺余談なんで、作品自体の話を読みたい人は読み飛ばしてもらっていいんですけど。この作品を語る時、僕はいつも「書ききる美しさ」と、「書ききらない美しさ」というものに言及します。

royは、ホントに綺麗に書ききってます。ここまで綺麗に書けば誰も文句ないでしょ?くらいに。ファンとしても無印ではやや物足りなかった部分を全部やりきってくれたと。

でもですね、僕は無印に香る「ああ、でもこういうもんだよね」という感じがたまらないんです。

詳しく書くとやりすぎちゃうかなあと思うんで書かないんですけど、無印は「え、ここで終わんの?」とやや拍子抜けするプレイヤーが多いかもしれません。でも綺麗なオチがつくなんてのは生きててなかなかあるもんじゃないし、なんというかなー、あの独特の切なさとか、あっさり感みたいなのが、すごい僕の中で腑に落ちたんですよね。そういう意味では、しっかり無印を踏んでからroyをやってほしいなという気持ちがないでもないです。

いや、roy単独でもその切なさはあるんですけど。無印であそこでぶっつり切られる感覚ってのを味わってから、改めてroyという新章とも言うべき青春群像劇に新たな気持ちで飛び込んで欲しいなあなんておっさん思うわけです。

 

あ、ちなみに上記の話は全て智子シナリオに関してであり、他のシナリオに関しては、なんつーかお察しください的なところあるんで、あんま気にしなくていいです。そこのまりもにストライクだと思った諸氏、残念だったな。

実際今このゲームをプレイしようとすると、環境的にノ全テを買うしかないのかな。なんか完全版もアホみたいに安くなってるし、いま紹介した3バージョン全部入ってるし、全編ひっくるめて「青春だなー」と言いたくなる名作なので、なんかそういうのに飢えてる人は是非。

あ、後音楽も非常に好感が持てます。完全版にはサントラも入ってたと思うので、是非。OPなんかは主人公の孤独を映した歌詞と、響き渡るストリングスが見事にマッチングしてますよ。折角なんでOPムービー貼っときますね。

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次回予告?うーん、こんにゃくかSWANSONGか群青の空を超えてのどれかのような気がしますが、多分気のせいです。