yukiuta235の日記

クソブログです。エロゲとアイドルと、ごく稀に読んだ本の話をするかもしれません。

俺たちに翼はない

全国1500万人の微笑みジェノサイドファンの皆さんコンドルワ。気づいたら夏真っ盛りでしたけど、それはしょうがないかなって思うんです。にんげんだもの

 

というわけでね、王雀孫ですよ。王雀孫。

元々BasiLというメーカーに、西又葵先生やアッチョリケ氏他と所属、そこで僕の長らく嫁として君臨し続ける八重樫つばさが出演した、『それは舞い散る桜のように』をリリース。意味深というか、ちょっと不思議な終わり方をしたせいで当時から続編の話も囁かれましたが、上記の制作陣と独立、現在でも続くNavelへ。『SHUFFLE!』や『つり乙』等でも有名ですね。

SHUFFLE!の発売が2004年なんですが、その後の2作目として俺つばは発売される予定だったのですが、これが延びに延びて、本編を発売したのは2009年。理由は単純、メインシナリオの王雀孫が、あまりにも遅筆だったから。

奇しくも2009年というのは、エロゲでいうと激戦の年でした。大作で言えばDies ireaの続編やBALDR SKY、装甲悪鬼村正真剣で私に恋しなさい!や、他にもナツユメナギサやましろ色シンフォニーなど、業界の衰えをまだまだ感じさせない年でした。こうやって並べてみるとなかなか壮観ですね。

度重なる延期、上記の作品たちもあり、ハードルが上がり続けた俺つばでしたが、エロゲオタからは大絶賛をもって迎えられることとなったのでした。アニメ化もしたし。

 

じゃあ王雀孫の何がそんな魅力的かっていうと、ぱっと見のテキストのテンポの良さ。笑えるエロゲというのも振り返れば何作もありますが、氏に日常会話で右に出るものはなかなか居ないのでは。雪村小町とか鳳鳴とかにやられたでしょう?皆さん。僕もです。

しかしその中に内包する、強いメッセージ性も王雀孫の魅力です。このゲームは当時エロゲでは地雷と言われていた複数の主人公視点で展開され、章ごとに分かれて話が進みます。1章なんかは結構暗めの構成で、意外とそこで敬遠されてしまった節もあるのかもしれません。

が、この各章が結びつく瞬間と、タイトルに引っ掛けたセリフの強い訴えが出てきた時に、テンポの良さとは違った意味で度肝を抜かれました。構成力も見事です。細かい伏線というか、芸が効いてるのもポイントが高いです。「ああ、だからこの子ヒロインじゃないのか」みたいな。ネタバレになんのかな。まあいいや。コーダインを攻略できないのはあの虚淵玄から「バグ」だと言わしめたからね、しょうがないね。コンシューマに移植されてこのバグは修正されたようですが。

このゲームから勇気をもらったエロゲオタも少なくないのではないでしょうか。回せ回せ!チャンネル回せ!

でも、今思い返してみれば、それ散るもメッセージ性はかなり近かった気がしますよね。小町がかなり近いセリフを言ってましたし。

俺つばもそれ散るもそうですが、いくらでも深読みしようとすれば出来るってのもすごいですね。氏の好きな児童文学の影響が強いんでしょうか。

 

もうこのゲームも9年前ですか。本当に歳をとりましたよ。Vitaあたりでプレイできると思うので是非。

アニメは…うーん、12話で語ろうとするのが難しかったかな、という印象。入りは上手いと思うんですけど。

 

ひのえり俺のな。