yukiuta235の日記

クソブログです。エロゲとアイドルと、ごく稀に読んだ本の話をするかもしれません。

ゴールデンアワー

https://dlsoft.dmm.co.jp/detail/mdetk_0010/?item=FQJXWAtTHV9cAEVTbAZWBlE_

こんばんは。クソ暑いですね。

高校野球を片目に見流しながら9連休の間に積んであるエロゲを片そうということで、久々の強化ウィークといった感じでプレイ。とはいえもう半分くらい終わっちゃってるので、もう一本できるかどうかもよくわかんないんですが。

なんでこれをチョイスしたかというと、なんかものすごい引きがあったっていうのがあったわけじゃなくて、

https://www.youtube.com/watch?v=JHwX5Hi43OE

がちょっと琴線に触れたっていうのと、レビュー界隈を見てみると評判が悪くなかったこと(特段良かったというわけでもないんですが)、FANZA見てたら半額だったので(月額やり放題でもできたみたいなんですけど、毎月元が取れる位本数やるかっていうとそこまでのガッツはさすがにない)遊んでみようかなという感じでやってみました。

 

大雑把にレビューをすると、どうしてもあるヒロインへ注力したというのが見えてしまい、それ以外のヒロインがちょっと置き去りにされてるかなという印象が残ります。キャラクター自体は個性あってかわいいし、もっとちゃんと膨らませてやればその他多数感にならず、もっと光ったのかなって気もします。でもそこも敢えてあっさりに魅せることによってラストを活かすことに成功してる構造にも見えるので、そこまで汲んで作品を送り出しているのだとすれば、まんまと我々は嵌められたという感じもしますね。

でもまあOPを見て雰囲気が合いそうだなって思えばやってみる価値はあるのかなっていう感じです。絵は綺麗だしエロいし、音楽の雰囲気作りは成功してるんじゃないでしょうか。シナリオ単体での評価が難しいと思うので、そこについて掘り下げていきましょう。毎回そこしか掘り下げていませんが。

後申し上げるのであれば、メインヒロインにパルフェ夏海里伽子感があるので、そういう層にはお勧めしたいなあといったところでしょうか。以下ネタバレなので、たまには続きを読む機能を使ってみようと思います。一見さんのネタバレを回避するブロガーの鑑。

 最初この作品って、割とあっさりした雰囲気ゲーみたいな感じなのかなあっていう、まあまあ軽めのテンションで始めたんですよ。青春モノとでも分類しとけばOK、みたいな。

いやまあそうっちゃそうなんですけど、なんだろうな。そんなに軽いテンションで乗り切れるほど甘っちょろい感じでもなかったというか。解釈していきましょう。

 

シナリオ構造にまず言及すると、脱落式と説明してやるとわかりやすくなるかと思います。

瑠璃→すず→まりか→夏未→ユキと、1人ずつちぎっていくことで最終的な全ての解決に繋がるユキ√へ到達します。結局ユキの設定が前提として全乗っかりの上で他ヒロインの話が進んでいきます。その結果、ユキへの伏線をバリバリに張りたいというのがかなり見え隠れしまっており、その結果各ヒロインの話があっさりしてしまうというか、どうやってもユキが各√で役割を終えた時点でほぼ話として完結してしまいます。ここは正直ユキという骨組みから話を展開させていったこうなってしまうのはしょうがないんでしょうか。仕様書通りに作られてる感じもします。OPも聞き直してみると全力でユキの歌詞やし。

にしてもユキの伏線をしっかりと印象付けた後で、各ヒロインの話もしっかり膨らませてあげることは可能だったような気もします。設定としては付けてあったけど、肉付けしなかったとでも言えばいいのか。この辺のモヤモヤ感も少し文章にしていきたいと思います。もったいないないなあ。

 

全√のスタート地点について

基本的に各ヒロインが主人公を好きなところからスタートするので、選択肢が極限まで削ってあるのは構成として個人的にはファインプレーだと思います。最初から親愛度カンスト状態的な感じです。ただ、もう少し主人公へ思いが募っていく様っていうのがバックボーンで掘ってほしかったなあというのはあります。ここが薄味に感じるポイントの一つかもしれません。この辺もユキだけめっちゃ丁寧でなあ。

うーん、でも学生時代ってこんな感じだったかもしれないなあって気もします。この辺の匙加減の判断は皆さんで判断してもらった方がいいのかもしれません。

 

 

★瑠璃

主人公の所属していたサッカー部のマネージャー。

エースだった主人公のことがめっちゃ好きだったけど、なんか付き合うのは無理”っぽい”のですげえ言い寄ってくるサッカー部キャプテンと付き合うも、結局主人公のことが忘れられなくてなし崩し的に関係を持つ。しかも本来の彼氏であるところのキャプテンがまあまあのクズ

みたいな感じで、のっけからまあまあもたれる内容なんですけど、内容の割にさくっと終わってしまい、もたれりゃいいのかかわいいだけでさらっと流していいのか、判断に迷う感じがしました。どうせやるならもっとクズとやりあってほしかった。主人公がややタカユキちゃん傾向にあるので、余計グダグダしてほしかったんですけどねえ。ゲームの雰囲気からすると求められていなかったと言われればそうなんでしょうけど、どうせ設定乗っけたなら生かしてほしかったなあっていうのが素直な感想ですかね。

 

★すず

主人公のクラスメイト。売り出し中のモデル。学校休みがち。

エースだった主人公のことがめっちゃ好きなんだけど、割と地味な子だったので主人公に振り返ってもらえないかなあという考えに至り、誘われた芸能の道へ。売れっ子になるものの、主人公とはなかなか学校で会えなくなる。が、街中等々で主人公と会う機会があり、改めて好き(トゥンク)ってなる感じ

この子のライバルキャラみたいなのも出てくるので、「なんだよお前WhiteAlbumでもやるつもりかよ」って期待したんですけど、なんか全然浮気的な展開になりませんでした。嘘です、浮気的な展開に関してはそんな要素ないし、よぎってしまった僕が悪いです。

とはいえ、主人公もなんかあっさりすずのマネージャーみたいなところに落ち着いちゃうし、過程もなーんか大分端折られちゃったなあって感じがします。別にマネージャーになるのは構わないんですけど、芸能に入るが故に簡単じゃない部分とかってもっと書いてよかったと思うんですよね。自らの立場のステップアップとすずの階段の上がるスピードが全然違うが故に生まれるすれ違いとか。同じスピード(しかもかなりの)で社会的ステータスも、恋人としての関係性も育っていくので、この辺の持て余し感半端ないですね。

後、瑠璃・まりか・夏未より主人公との関係性が希薄に見える(学校にあまり来れないせいかもしれませんが)ので、ユキへの伏線という要素でもやや弱くなってしまったという意味でも、ちょっと不遇のキャラクターのような気がします。エロいから実用性要素は一番強かったと思うんだけどなあ。

 

★まりか

主人公の幼馴染。元恋人。

中学時代に付き合っていたが、遠距離恋愛のすれ違いから別れる。でも主人公のことずっと好き。でも主人公が夏未のことを好きなのも知ってるからなかなか言い出せない。だから体だけの関係にしよう。でも体を重ねていくうちにお互い中学時代の気持ちも新たに惹かれあっていくんだけど、まりか自身も卒業後は海外行っちゃうし

みたいな、これに関してもどれだけでもこねくり回せる要素があった印象です。

まず勝手にではありますが、板挟みになっちゃってる時点で、瑠璃みたいなこねくり回し方が可能のはず。

次に、体だけの関係を持つという、その辺の青春モノのエロゲにはできない道具を持ってきたこと。

最後に、惹かれあっていくのがお互いわかっていながらの海外へ、もどかしさをぐちゃぐちゃに書く。

特に3点目に関しては、専用EDテーマ、1年という年月を挟んでいるという設定も盛ってあるため、あっさり1年経って2人は幸せなキスをして終了になってしまうのはもったいないなあという印象が強いです。中学生の時のような、幼馴染の延長線上の恋に恋するような状態ではなく、お互いに焦がれていくような描写を入れていってほしかったなあと

 

★夏未

主人公のクラスメイト。優等生。学校のマドンナ的存在。

共通√にて主人公とデートすることで主人公を意識するようになる。その後着実に関係性を重ね、クリスマスデート、付き合う関係へ。ただお互いが何か欠けているような焦燥感、本当に好き合っているのかどうかの確認、謎の違和感が残り続け、そこに対してのはっきりとしたコンセンサスが取れないままの関係性が続きみたいな感じ

前3本に比べて正統派のストーリー。あまり小難しい舞台が設定されていない分、シナリオとしては過不足なく書かれている印象。

ただユキへの伏線という点に着目点が置かれすぎているシナリオに感じ、彼女の魅力という点ではかなり薄れてしまった印象もある。あくまでもユキありきなのがどうも。

 

僕はゲームシナリオについて言及するときに、『展開』という言葉と、『舞台装置』という言葉を意図的に使い分けるようにしています。話を進めるうえでどうも取ってつけた感が出ているようなシーンに『舞台装置』という言葉を当てはめるようにしているのですが、この子自体が舞台装置化してるように映ってしまったのがちょっと残念だったかなあ。でもまあなんでしょう、キャラクター的にもちょっと肉付けしにくいのかなっていう気もするので、この辺もライターからすれば意図的にちょっと薄めの味付けで作ったキャラクターなのかもしれません。

 

★ユキ

突如主人公の前に現れる謎の女。主人公の恋を応援してやるとか急に言ってくる。上記の夏未に容姿がよく似てる。

このゲームのほぼ全てと言っていいキャラクターで、この子のためにこの世界観が作り上げられたんだろうなあと想像がつきやすい。この子のキャラが嵌るかどうかでもゲームの評価は変わってくるのかもしれません。

 

以下、各シナリオからの伏線回収と設定。

・元々は夏未の双子の姉。本名は夏希。

・ゲーム開始直前まで主人公の彼女。各ヒロインが主人公について諦めていたのは夏希の存在があったため。

・本来主人公は足に致命傷を負った事故で死んでるはずだったが、謎のおじさんの手によって主人公を生き返してもらう。その引き換えとして、夏希は現世に何者でもない存在、誰にも気づかれない存在として300日滞在後、そのまま消失する。

・現世においてもその存在、生きてきたこと自体がなかったことにされ、夏希がかかわった部分には何かしらの補正や、記憶の抜け落ちが発生する。

・しかし抜け落ちた部分の感情等は残っており、「何かがあった」ということだけは何となく覚えている。

・本来なら上記のように何者でもない存在として現世に有るだけだったはずだが、より強い思いが主人公に残っていたせいか、街中で声をかけられることになる。しかし夏希自身のことは全く覚えていないため、自らの主人公への思いを押し殺して、ユキという仮名を使うことで主人公の再起へ力を尽くすことになる。

 

このゲームのテーマであるところの、『この世には忘れてはならないものがある』というのがこの子自身で、最後の最後で主人公、双子の妹夏未が彼女の存在を完全に思い出す。消失の直前に彼女と再会し、全てを思い出したことを告げ、主人公がユキの上記の宿命を背負い現世から完全に消失(元々事故で死んでしまっていたので、その辺のなんやかんやもあったと思います)、逆に夏希が現世へ復活。消失してしまったはずの主人公が最後の最後で夏希を街中で見つけるところでエンディングを迎えます。

 

4キャラクターでかなりの伏線とフリを入れてるため(というか8割がたそれしかしてない)、「明らかにユキがメインなんだろうなあ」とか「多分死んでるとかそんな感じなんだろうなあ」とかの推察ができてしまうので、そこをどう捉えるかというのも論点の一つかもしれません。

しかし構造自体を見ていけば、上記ヒロインを一人ずつ攻略するたびに、違和感が徐々に確信へと変わっていく展開のさせ方は結構きれいにできてると思うので、丁寧に描かれていたなあというのが個人的な感想です。伏線自体も綺麗に回収されているので、そこに対する違和感は残らないように感じました。

ユキが主人公への強い想いをなるべく表に出さないようにしながら他ヒロインへのアプローチを支えていたのかと思うと、個人的には夏海里伽子を想起させました。また夏希という存在を全く覚えていないにも関わらず、もう一度ユキを好きになるというちょっとした入れ子のような構造については、特に夏希の心情を考えるとなかなかグッとくるものがありました。嬉しいけどもう消えちゃうが故の切なさみたいなものが夕暮れのハイライトに重なるように描かれていくのは美しさもありますね。

んでもまあ、なんでしょうか。ラストがどうしても薄味なんだよなあ。主人公が代わりに消えるってなったあたりとか、再会シーンとか。その辺をあんまり書かないっていうのは方針なのかライターの主義なのか。繰り返し言ってるけど、きっちり設定は盛ってきてるだけに、なんかもう描写で絞殺してほしかったなあ見たいな感じなんですかね。この辺はもう好みの世界な気もしますが。

ゴールデンアワー』というタイトルに関しても、青春時代という人生においては体感できる期間の少ないものへ重ねたのと同時に、ユキの300日を想起させるものへ、そしてこのゲームの世界観を一言で抽象的に表すことに成功してると思います。上手い感じがします。

 

★総評

もうどっからどう見てもユキのための作品になってるところがいいところで、裏を返すとそこが弱点ともいえるゲーム。ワンマンチームを崩すには、ワンマンを抑えればどうにでもなるみたいな。全√納得できる造りじゃないと満足できないって人も多いと思うんですけど、僕個人としてはこういう一点突破のみで勝負を仕掛けてくる作品というのは嫌いじゃありません。 展開が読めなくはないですが、ちゃんと伏線を回収しきってるのもポイントは高いかなと。

ただ、各√においてもう少し話のボリュームをつけても面白かったんじゃないかなとは思います。ユキありきとはいえ、他ヒロインとくっついた場合だと、一度軌道に乗ったらトントン拍子で話が進んでサクッと終わっちゃう感じは、ちょっともったいなかったです。もうちょっと試行錯誤してほしかったなあ

音楽による雰囲気の作り方もよくできてると思いますし、エロシーンの活用度もこういうゲームにしては高かったように思います。個人的には大槍葦人ばりに尻がエロかった。構図やさっき上げたサウンドについても挑戦的な部分が見られたので、そういうスピリットは評価したいですね。結果今はブランドが休止してるようなので、そこまで受け入れられなかったようですけど。

 

SHUFFLE!2かさくら、もゆ。のどっちかを崩したいんですけど、もゆは無理なような気がしてきた。でもここまで評判いいと、やっぱり触っておかないとなあ