yukiuta235の日記

クソブログです。エロゲとアイドルと、ごく稀に読んだ本の話をするかもしれません。

パルフェ~ショコラ second brew~

http://www.web-giga.com/parfait/parfait.htm

久しぶりにやり直したらすっごい良かったんで、勢いに任せて書きますね。もう13年前なんだね…。

えー、というわけで、丸戸史明知名度を一気に広めたパルフェ~ショコラ second brew~のお話です。多分史上初、アニメ化ではなく実写化の方が早かったエロゲですね。ていうか、別にアニメ化今後もしないんでしょうけど。

えー、この人の話をするんだとしたら、どのへんの話からしたらいいんでしょう。Rippleくらいから話したほうがいいのか、それとも単純にショコラの話をすべきなのか。それともままらぶとかの話もした方がいいのか。

いっか。特に今回は予備知識無しで行きますか。あったほうが要素としては楽しめるんですけど、それを入れようとすると、重大なネタバレに繋がるような気もするので。

半年前に消失した喫茶店を、昔いた仲間たちを集め直してショッピングモール的な所に再出店するんですけど、お向かいにモデルにした喫茶店が来るっていう、なんだろう、微妙に燃える要素が詰まってるあらすじですね。いや、本筋はそこまで燃える展開じゃないんですけど。

このゲームのすごいところって、徹底して雰囲気作りに専念して、それを見事に成功してるところなんですよね。WA2の時に少し話しましたが、この人の基本的なコンセプトとして、恐らく

「あなたのいる世界は、あなたが思うよりちょっとだけ優しい」

というのがあるんですよ。なんでしょうね。そんなゲームやってたら、

「あー、なんで俺この中に居ないんだろ」

ってなりますよ。そりゃ。なりますよ。

後は言葉遊びがすごく上手いライターさんなので、雰囲気作りの徹底さと相まって実に読みやすい、さらーっと入り込める作品になってるなっていうのは改めて思いますね。13年経ってもこの辺は色褪せないですね。

言葉遊びの上手さは、話の展開、もう少し転がすと、伏線作りの上手さってのに繋がってくるわけですよ。伏線を思いっきり伏線と思わせるのも、それはそれで上手さだと思うんですけど(この辺はるーすぼーいや田中ロミオ辺りが得意な気がします)、伏線を伏線と思わせない言葉・展開のチョイスをさせると、エロゲライターだとなかなかいないんじゃないですかね。

もっと伏線とかじゃなく、日常の積み重ねだけで美しく物語を紡ぐエロゲライターも中にはいるんですけどね。片岡ともって言うんですけど。ねこねこソフトの話もしたいですね。したい話しか出てこなくて困るね。

それとキャラの立ち方が秀逸ですよね。ツンデレの代表格として未だに名前の挙がることもある花鳥玲愛だったり(すげえな、一発変換だったわ)、主人公をダメ人間へと陥れる姉ちゃんがいたり、友人的立ち位置のヒロインがいたり。

いやー、いいですよね。友人的立ち位置のヒロインって。パルフェの涼波かすりもそうだし、それ散るの八重樫つばさとかもたまりませんよね。もっとこういう立ち位置のキャラクター増えてもいいと思うんですけど、多分描くのが難しいですよね。一歩間違えると男キャラでいいじゃんって話にもなるし、距離の詰め方とかも描き方しんどそうですね。

んでまあ、上記に挙げたキャラクター達が前フリに過ぎないのがこのゲームの最も恐ろしいところなんですけど。そのへんは皆さんで確認して頂ければ思いますね。夏海里伽子は必ず最後にやってくださいね。

僕はこのゲーム、浪人時代にやったんですけど、夏海里伽子がいるもんだと思って大学に行きましたよ。結果もちろんいなかったんですけど。

皆様も思い知ったほうがいいですよ。

夏海里伽子はこの世にいねえ。

 

抜群の雰囲気作りと、それに隠された伏線、そして夏海里伽子というラスボス。構成としてものすごく綺麗に作られた名作と言っていいでしょう。エロゲの教科書的な作品といってもいいのかもしれません。そして丸戸ワールドにずぶずぶ浸かっていくといいと思うわよ。

 

そうね、クソゲーとかちょっとしたマイナーゲーの話とかしたいですね。とか言って全く関係ない話をしそうな気もします。

なないろリンカネーション

http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/silkysall_0001/

昨日skypeでリクエストをいただきましたので。

んー、なんかちらっと、昔からの〜みたいなことを言ってたので、エルフの話しますか。いや、どっから話せばいいんだ。

その昔、西のアリスソフト、東のエルフと呼ばれるほどバカ売れしていたメーカーなんですね、エルフってそもそも。確か自社ビル持ってたし。

エロゲにゲーム性やストーリー性、好感度のシステムを持ち込むなど、そりゃ斬新なゲームデザインで当時のエロゲーマーを飲み込んでいったんですよ。今では当たり前になってますけど、そういう意味では今のエロゲの礎を築いたメーカー

でした。

他社がこういったシステムを採用し出すとエルフは置いていかれます。スタッフの離脱もありましたし、過去に囚われすぎたというのも正しいんでしょう。

そしてスタッフは抜けていき、今は無事に無期限活動停止になってしまったわけです。

もっと隆盛期の話とか、どうして右肩下がりに堕ちていったのかとか話したいことあるんですけど、さすがに本題に戻ります。


さて、そんなエルフ&別ブランドのシルキーズから独立して作り上げたデビュー作がこれでした。そういう経緯がありますから、結構鳴り物入りのデビュー作ではありました。僕もなんとなーくは話に聞いてて、体験版触ったんですよ。

そしたらまぁー、なんなんですかねあの世界観。急に自らをロリババァと名乗る座敷わらしに始まり、そこから「お勤め」と呼ばれる、街に漂う霊を自らが使役する鬼と一緒に供養させてあげるってのがあらすじです。

一見するとホラー物なのかなって印象だと思うんですけど、この世にはびこる悪霊を退治して〜みたいなんじゃなくて、あくまでも話を聞いてあげて、自ら納得して成仏してもらうってのがメインなので、見た目のあらすじに相反して実にハートフルな作品です。笑えるし。

で、この鬼ってのが、主人の精液を欲しがるっていうのがまたありまして。ハートフルなくせにエロシーンも多いです。なかなか実用性もありますし。エロゲはエロくないとね、うんうん。

んで、あんま言うとネタバレになっちゃうと思うんですけど、この作品を一言で表してと言われると、エロゲーマーにしかわからないような例えでこういうことにしてます。

「家族計画ともしも明日が晴れならばを足して2で割った感じ」

実にハートフルで、笑えて、でも最後にちょっとグッと来たりして。近年では珍しく、そこまで長い作品でもないです。

後はラストが作り上しょうがないんですが、ちょっと似たり寄ったりにはなってしまってるのが「惜しい」って感じですかね。

ただ1人終わると、箱の絵がどうしてああいう構図になってるのかとかも合点が行きますし、作りとしては実に丁寧です。是非ともやっていただきたい作品の一つですね。

あと言い忘れてました。ちゃんと人間ともSEXします。普通に可愛いです。というかかわしまりのいる時点で僕の中じゃ勝ちです。


もう次回予告とかしなくていいんじゃないか。


2018.6.4追記

この週末でやり直してみました。それくらいサクッとできる作品ですね。長さ的に。

かわしまりのの時点でやはり僕の中で勝訴してるんですが、なんだ、ワンシーンだけグロもあったわ。お兄さんすっかり忘れてた。いやまあ、それも思い返してみるとほぼ全ての伏線の回収シーンだし、それ以上のやられた感が勝るのかなあ。

やっぱでも「誰か居てくれるっていいな」ってなれますよ。今市場でどれくらいの取引になってるかは知りませんが、その辺のクソゲー掴むぐらいなら短いしオススメしたい。初めての人にもいいんじゃないかな。

WhiteAlbum2

http://leaf.aquaplus.jp/product/wa2cc/

えー、気づいたらね。小木曽雪菜さん誕生日ということでね。

ついでに完全版的立ち位置が発売されるってことでね。はなししておきますか。

今や冴えない彼女の育て方で一大ムーブメントを巻き起こした、丸戸史明先生の(現状)エロゲ業界の最新作になります。長年1位を走り続けてきたYU-NOをかわして、エロスケで1位になったことでも話題になりましたね。

この作品自体も、氏がデビュー前から温めたことでも話題になりましたね。

作品自体の概要は、主人公がクソ真面目なゆえに、友情と信じ込んでいたものがなし崩し的に崩れ去り、歪な三角関係が出来上がっていくという内容。

なんというか、冴えない彼女もそうなんですけど、基本的にこの人って、「あなたが思う世界より、少しだけ優しい」というのがコンセプトとして構成されてた節があるんですけど(この辺はパルフェやらこんにゃくやらで改めて紹介したいですね)、その中で三角関係というどろどろした世界観をどう描くかってのがかなりの着目点であるんですけど。

いやなんて言うんですか、c.c.は非常に泥ついてますよ。ひどいですよ。見てて胃が痛くなりますよ。どうやって彼女たちが傷続けてきたのかを嫌というほど見せつけられますからね。

で、codaでもれなく殺されます。無事殺された後、どのような形でエンディングを迎えるのかに関しては、どうせ新作も出るし、是非ともプレイして欲しいなあと。

雪菜か、かずさか。間違いなくあなたは選択を迫られます。そこであなたが誰を選択するのかは自由ですし、誰のエンディングに納得するのかも自由ですよ。

でも雪菜に関しては丸戸史明というシナリオライターの真骨頂だと思いますし、かずさはかずさで新たな境地を切り開いたという意味では、かつての丸戸好きのイメージを覆しつつも、なんとなく納得させられるというか、三角関係らしいエンディングをしっかりとやってくれてるのはいいなあ、と思わせてくれる。エロゲ界屈指の作品なのは間違いないです。

 

とにかく、まーすれ違いますよ。すれ違いすぎて「あーもう!」とかを通り越して、胃をキリキリさせることは間違いないです。

で、三角関係以外のキャラクターもc.c.で登場するんですけど、彼女たちは彼女たちで掘りがいのあるヒロインが揃ってますし、それはそれで堪能して欲しいなあとか。

c.c.の世界観には前運営してたblogでちょっと突っ込んだ内容を踏み込んでるので、興味あればちと読んでみてもいいかもしれません。

http://blog.livedoor.jp/midori30/archives/1761515.html

共通√辺までは割と参考になると思います。多分ですけど。やり直すともうすこし違う観点がみえてくるかなという気もしています。もう胃が痛くなるのやなんで、相当なことがない限りはやり直さないと思いますけど。

 

いいゲームだとは思うんですけど、なんだろう、エロゲをやってきた人がやってみるのと、これでエロゲをほぼ初めて触れるって人とで、感想って違ってくるような気がしています。

ただ、最終的に得られる読了感と、音楽のマッチングに関してはかなりの完成度と言って申し分ないでしょう。雪菜に当ててくる曲が、明らかに悪意があると申しますか、趣味が悪いと申しますが、実にゲロゲロとさせてくれますよ。

正直長いんですけど、それを感じさせないシナリオの構成力なんかは、さすがだなあと思わせてくれる見事な仕上がりです。冬に是非ともやってほしいですね。

 

あ、ボクはちなみにかずさ派ですが、それ以上に麻里さんが好きです。現場からは以上です。丸戸はダメなお姉ちゃん書かせたら世界一だと何度言えばわかるんだコラァ。

 

ヘタレつながりで君望とかマブラヴとか書きたいですかね。マブラヴなんかは当時の期待度とか、今思うこととかもないわけじゃないんで。

キラ☆キラ

http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/kgf_0004/

えー、つい先日、瀬戸なんとかさんがエロゲ界に戻ってくるということを今更知りまして。書かずにはいられないな、と。


んー、また歴史から語ります?と言ってもどっから語ればいいのか。元々フロントウイングがーとか言えばいいのか。そこまでいくと話長いな。

瀬戸なんとかさんの前作、SWANSONGで一緒になったOVERDRIVE代表、bambooさんがその文章に惚れ込み、一緒に作品を作ろうとなって生まれたのがこの作品です。

正直SWANSONGであったり、グリーングリーンシリーズに関しても今後語りたいとは思うんですけど、とりあえずは入りやすい作品から勧めてみようと思います。SWANSONGはハードルが高い。でも寒い時期にやって欲しい作品なのも確かなんですけど。


んーと、概要としては、学園最後の思い出作りとして、主人公とヒロイン達でバンドを結成、それが思いのほか面白かったのと、評判が良かったのも相まってそのまま全国ツアーに出るっていう、なかなかロックな作品です。

この旅行自体もすげえキラキラしてて読み応えあるんですけど、本番はこのツアーを終えて、元の生活に戻った後。主人公やヒロイン達が抱える現実に向き合うっていう感じなんですけど。


話逸れるようで逸れませんが、瀬戸なんとかさんはよく鬱ゲーライターと称されます。確かに作風自体はそこまで明るい感じなのかと言われると、別にそんなことはない。かと言って鬱として割り切ってしまうにはあまりにも惜しい。

この作品に関しても、√によってはかなり重い内容だったりするんですけど、これを重いで片付けてしまうようではあまりにもあんまりです。そこから溢れ出るキラキラを、存分に堪能して欲しいなと思います。このゲームは、というか基本的に瀬戸なんとかさんの書きたいことは、人間讃歌です。


後この作品で評価が高いのが、音楽。bambooさんと言えばバカとテストと召喚獣OP等を手がけた人としても有名。自らスタジオを作り、スタジオと結婚したと言い張るロックンロールも堪能して欲しいと思います。

あのねー、音楽がマッチングしすぎなんですよ。ある√のED直前でこのゲームのOPのインストが流れるんです。で、OPのfullをちゃんと聴き込んでると、ここでインスト使う意味が完璧にハマるんですよ。この流れから最後の台詞を読んで、EDになだれ込むんですけど、もうね、ボロッボロに泣けますから。話の帰結としても、演出面でも、かっちりとはまりますから。ええ。


後、上記で書いた√以外に関して言うと、結構解釈のしがいがあると言うか、ついつい考察をしたくなる仕上がりになってます。何故こういう帰結を迎えるのか、っていうのを真剣に考えるとものすごく腑に落ちると思います。実際これをやった後、当時の個人サイトでアホみたいに長い考察を書いた記憶があります。もうサーバー自体がサービス終了してるんで、探しても出て来ないと思いますけど。


ちょいネタバレしつつ書いたらかなり熱くなってしまった。少し冷静になってまとめます。

特徴として、キャラクター達の長セリフってのもあると思います。そこを踏まえつつしっかりと解釈しながら読み進みてもらえればと思います。後、似たように登場人物の独白がよく出てくるロシア文学が読みたくなります。ドフトエフスキーはいいぞ。

序盤から中盤にかけては本当にいい青春してます。そのキラキラと、各√で辿り着くキラキラに関して、しっかりと感じてもらえればと思います。


ダメだ。まとめようとしたけど、どっから書いていいのかわかんなくなってしまった。でもそれくらい好きなんです。2007を代表する一作です。1500円なら間違いなく買いです。

やったらどうでしょう?じゃない。

有無を言わさん。やれ。


あ、別名義で小説も書いてますんで、正直そっちの方が入りやすいは入りやすいと思います。ドッペルゲンガーの恋人か、つめたいオゾン辺りが入り口としてはおススメです。

逆に死体泥棒とか、電気サーカスとかはワールドに取り憑かれた人が読む作品なんで、はい。


とりあえず僕としては、瀬戸なんとかさんがこの名義でまたエロゲを書くなんぞ夢にも見てなかったので、とりあえず発売されてクリアするまでは頑張って生きようと思います。

痕〜きずあと〜

http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/aquap_0008/

このゲームを語るとなると、色々言わなきゃいけないことがあるんですけど。どっから始めればいいかな。

今ではAQUAPLUSとして多角的な展開を見せてるけど、当時はこの作品を書いた高橋&水無月コンビの前作、雫がヒットを飛ばして、さあここからっていう時期だったLeaf。結果、これもヒット、その後To Heartの爆発的ヒットで、一大勢力となった時期に出た作品でしたね。そういう意味では真価が問われた作品ではあったんですけど。

市内で起きる猟奇殺人を追っかける話になるんですけど。先の読めないシリアスさと、柏木家のどこか温かな雰囲気がなんというか、異質さというか、独特の世界観を産んでたような気がします。

そもとして、前作雫で、ビジュアルノベルというジャンルを生み出し、その独特の異質さを放ってはいたんですけど。それを継承しつつ、少しばっかし薄めたのが上手いことハマったって言う言い方もできるのかもしれませんね。雫よりキャラクターを立ててるなっていう感じもありましたし。

世界観に引き込むというのか、キャラを覆い隠すように文章が画面に全体にぶわーっと出て来るってのは当時斬新で、それが余計ハマったんだろうな、とか思いますね。そういう意味では高橋龍也が上手かったんだろうな、とか。

後は何でしょうね、柏木4姉妹がメインというか、彼女達しか攻略できないんですけど。結局総括すると、4姉妹を順番に、ほぼ1本道で(バッドエンド含め)見せられるっていうゲーム性なんですけど、それで謎が解けていくっていう本当にノベルスみたいになってるのが、この作品の魅力なんでしょうね。

かと言ってさっきも書いたけど、キャラクターをおざなりにしてるわけでもなくて、そこがよくできてるんでしょうなあ。実際この作品の1番人気は、最初に攻略することになる長女だったはず。わたくしは恐らく、この長女のせいでナイチチ属性に一時期目覚めてたと思いますよ。貧乳で何が悪い。


えー、後はあれですかね。できすぎの話とかもした方がいいんですかね。いっか、これもすると長くなるし。本編とはちょっと離れるし。「痕 できすぎ」でググってください。

僕がプレイしたのは1番最初の作品なんで、リメイク版に関してはよくわかんないんですよね。今は多分リメイク版しか手に入らないし、そもそも初代は今のPCじゃ動かんのでしょうね。時代を感じますね。


高橋龍也でピンと来た方もいるかもしれませんが、その後この方はLeafを退社、現在はアニメの脚本家として活躍しています。そう、アイマスとかね。

だから僕はたまに気になるアニメをチェックする際には、「高橋龍也おるなら大外れせんやろ」と思って見てます。この頃からの信頼感が半端じゃないですね。


えー、なんか歴史語りみたいになっちゃいましたけど、シリアス・ミステリー感溢れる作風と、キャラクターの立ち方が見事にバランスの取れているかつての名作であることは間違いないです。リメイクしたらバランス崩れたっていう噂を聞いたり聞かなかったりしますけど。そこは皆さんで確認してください。僕は高橋龍也の抜けた痕にあまり興味がないので。


相変わらずあてにならない次回予告でしたね。

後あけおめ。

世界ノ全テ

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B008AHC0E4?ie=UTF8&redirect=true

前2作品に比べると少し知名度は劣りますが、十分名作と称して申し分ない、世界ノ全テのご紹介ですよ。

前回の次回予告はなんだったんだと言わんばかりの全く違うタイトルが出てきましたが、いやね、アレですよ。超メジャーの作品ばかり紹介するのも面白くないなと。いや、同年代のエロゲーマー的には恐らく通ってるであろうエロゲではあるんですけども。

なんというか、いつまでこの作品に囚われてるんだろうなっていう製作陣の影が見え隠れしないでもないですが、それは各々で調べて、各々で結論を出して頂ければいいかなと思います。

閑話休題。えー、内容を申し上げますと、青春一直線を綺麗に書ききった清々しい作品だと思ってます。

家庭内で居場所を失っている主人公が、転校で8年ぶりに地元の街へ戻り、そこで旧友を中心に新たなネットワークを生み出し、自らの居場所を見つけていく、というのがアウトラインです。が、本番としてはその後に恋愛に発展してうんぬんかんぬんみたいな感じです。何か外面だけ言うとすっげーオーソドックスやな。いや、オーソドックスなんだけど。

メインヒロインというか、ほぼこの子に為だけに作られたゲームといっても過言ではないのが、同じく転校生の小西智子。彼女も諸事情で家庭に居場所がなく、同じ孤独を抱えた同士が、同じくなんとなく流れで入部した軽音部を通じて、少しずつ近づいていき、そして結ばれて、みたいな。

また急に話は変わりますが、青春といっても様々な形があります。それは部活を通じての仲間との交流だったり、恋愛だったり、親しくなった友人たちとの本気のぶつかり合いだったり。

そういうのをギュッと詰め込んでるのが、本作品です。そこに一切の逃げはなく、多分今やり直すと、やった当時と全然違う感想を持ったりするんだろうなーなんていう感慨を持ったりしてます。今書きながら。

 

この作品、無印、remind of you、全テノ全テ、と3つほどバージョンというか分かれてるんですけど、一般的にはremind of you、royが評価されているというか、完成品とされています。ノ全テはなんというか、未だに消化しきれてなかった部分を全部書ききった、ファンディスク的な立ち位置と考えてもらっていいです。

で、で。この辺余談なんで、作品自体の話を読みたい人は読み飛ばしてもらっていいんですけど。この作品を語る時、僕はいつも「書ききる美しさ」と、「書ききらない美しさ」というものに言及します。

royは、ホントに綺麗に書ききってます。ここまで綺麗に書けば誰も文句ないでしょ?くらいに。ファンとしても無印ではやや物足りなかった部分を全部やりきってくれたと。

でもですね、僕は無印に香る「ああ、でもこういうもんだよね」という感じがたまらないんです。

詳しく書くとやりすぎちゃうかなあと思うんで書かないんですけど、無印は「え、ここで終わんの?」とやや拍子抜けするプレイヤーが多いかもしれません。でも綺麗なオチがつくなんてのは生きててなかなかあるもんじゃないし、なんというかなー、あの独特の切なさとか、あっさり感みたいなのが、すごい僕の中で腑に落ちたんですよね。そういう意味では、しっかり無印を踏んでからroyをやってほしいなという気持ちがないでもないです。

いや、roy単独でもその切なさはあるんですけど。無印であそこでぶっつり切られる感覚ってのを味わってから、改めてroyという新章とも言うべき青春群像劇に新たな気持ちで飛び込んで欲しいなあなんておっさん思うわけです。

 

あ、ちなみに上記の話は全て智子シナリオに関してであり、他のシナリオに関しては、なんつーかお察しください的なところあるんで、あんま気にしなくていいです。そこのまりもにストライクだと思った諸氏、残念だったな。

実際今このゲームをプレイしようとすると、環境的にノ全テを買うしかないのかな。なんか完全版もアホみたいに安くなってるし、いま紹介した3バージョン全部入ってるし、全編ひっくるめて「青春だなー」と言いたくなる名作なので、なんかそういうのに飢えてる人は是非。

あ、後音楽も非常に好感が持てます。完全版にはサントラも入ってたと思うので、是非。OPなんかは主人公の孤独を映した歌詞と、響き渡るストリングスが見事にマッチングしてますよ。折角なんでOPムービー貼っときますね。

www.youtube.com

 

次回予告?うーん、こんにゃくかSWANSONGか群青の空を超えてのどれかのような気がしますが、多分気のせいです。

加奈~いもうと~

www.dlsite.com

僕がこのゲームを紹介する時は常に端的です。

「いいか。病弱な、義理の、妹が、死ぬんだよ」

基本的に僕は、このゲームをやって泣かない奴は人じゃねえと思ってる、加奈~いもうと~のお話。当時は韓国ドラマで脚本がぱくられたなんて一部で話題になったり、筑紫哲也の番組で出てきたりで、何かと騒がせたゲームでもあったなあとしみじみしてみたり。

病弱で外の世界をほとんど知らない妹・加奈と、それを必死に守り、慈しむ主人公・隆道の純愛物語といえば聞こえはいいけれど、落とし込んでいくと結構ドロドロした話でもある。純としてるのは妹の加奈だけであり、それ以外には外の生活があるわけだし。

近親相姦とか、実は主人公には彼女が居たりで、意外と社会的メッセージも強かったりして、その辺はさすが田中ロm……山田一だなあと。そしてこのドロドロ感があるにも関わらず、悪者がいないってのがこのゲームの作りの上手さである。もっとわかりやすい悪者がいたって話としては十分成立したとは思うんだけどね。いや、果て青みたいな感じの加奈ってのもやだけどさ。

んでまあ、実はドロドロってのは割と脇道の話で、本道を通ってるのは、人生観、そこから生まれる死生観。そしてそこから湧き出す、心にぶっ刺さる言葉の数々。僕が一応社会人できてるのは、このゲームの名言あってこそのところもある。

んー、というか、そもそも人物の配置に無駄がないというのも大きいかな。なのでストーリーに入り込みやすくなってるってのはあると思う。その代わり遊びがないと言われてしまうと、返す言葉がなかったりするんだけど。遊びというか、氏のスッキリとした文章にコミカルさを放り込んできてるという意味では、家族計画の方が勧めやすい作品であるのかなあ。

 

はっきり言う。重い。このゲームは内容が重い。が、重いがゆえに、ハマればとことんぶっ刺さる作品になってる。それなりの覚悟をもって臨んでいただきたい作品ではあります。その代わりの読了感は僕が約束します。

結構話の核心部分はぼかして書いてるからふわっとした感じの文章になっちゃうのはしょうがないのかな。もっとネタバレ上等で文章を書くのだとすると、加奈以外にも魅力的なキャラクターがたくさんいるから、そこに対してアプローチしてあげたいなあって思いも出てきたりして、そうするとみたいなジレンマに陥ってたりはします。2回目にして勝手に手詰まり感を出していくスタイルでお送りしております。

もしこれ読んでやる人がいたとして、これだけは言っておきたいのですが。

夕美すげぇいい女だから、そんなに嫌いにならないでやってくれな。

あ、あ。後言い忘れてたことがあります。

加奈がちゃんと病気治って生きていくっていう√もあるにはあるんですけど、それはなんつーかな。テーマが重いが故の救いの√って考えてやってもらうと温度としてちょうどいいかなって思います。

 

次回予告なんだけど。うーん。

基本的に今回の思いつきは、twitterのフォロワーに向けてという側面が強かったりするので、そういう人たちにも向けた作品紹介をしたいなあと思ったりします。丸戸作品とかね。でも君望の話とかもしたいんだよなあ。でもそれ散るとか、おれつばの話をして王雀孫ワールドの話とかもしたい。

エロゲ好きは語り始めると何でも話したがる。やっぱりただのオタクじゃないか、僕は。