冬馬かずさ概論
ね、たまにはね、エロゲの作品以外の話もしたいなって思いましてね。
エロゲのキャラクターにスポットライトを当てたいと思います。実際問題好きなキャラについて話してもいいかなって思うんですけど、そうするとそれ散るの八重樫つばさとかになりますから。もうどうやって話したらいいのかわかんないのと、古すぎてどうすればいいんですか的なところがありますんで、もう少し触りやすいキャラクターに関して掘り下げてみましょうか、みたいな。
単純に今朝、仕事前に職場のトイレでうんこしてたら、「あ、冬馬かずさの話したいな」って思っただけなんですけど。最高じゃん冬馬かずさ。
って下書きが今年の2月に保存されていました。当時の僕は何を伝えたかったんでしょう。っていうか別に八重樫つばさについて話してもいいじゃん。いっくらでも考察の余地あるじゃん彼女。伝えたところで今さら体感するのが難しいっていうポイントは残ってしまいますけど。
せっかくなので冬馬かずさの話をしてみたいと思います。当時感じてたものとは何か違うものになってるような気もしますけど。
あー、シナリオの全貌に触れるわけではありませんが、話の核には多少触れるかもしれません。キャラクターの説明するんだからそりゃ何の説明もなしには無理だと思うんですよ。
エロゲに限らずですが、キャラクターというのは何かとわかりやすいフレーズを付けていくと伝わりやすいですし、それに惹かれる人も多いんだと思います。「この属性好き」みたいな。
冬馬かずさを当てはめるのだとすれば「ツンデレ」なんでしょう。なんかもうツンデレって使うのちょっと恥ずかしいですけど。こんな普通の人に記号化しづらいものを無闇に流行らせちゃいけないと思いますよ、僕は。ただ普段ツンツンで2人きりになったふとした瞬間にデレデレすれば出来るってもんじゃねえんだってことですよ。
「ツンデレ」にはそうなる「過程」が大事だっていう話をしたいんですよ、今の僕は。多分かつての僕はもっと違うことを言いたかったような気がします。WHITE ALBUMの時期になったらまた思い出します、多分。
ツンデレの始祖とも言われる『君が望む永遠』大空寺あゆは、所謂財閥の娘という設定から世間に対する現実感のなさと、それでも育っている部分のアンビバレントから生まれたんだと思います確か。もうこの辺はやり直さないとしっかりとは思い出せないよ、おっさんだから。
思い出したので追記。
上記もあるんですけど、そのカテゴライズからなんとなく敬遠されがちだったあゆが、孝之とは言い合いができる仲だったがゆえに口が悪く、その関係性を築いているがゆえに孝之が突き崩せたという側面を踏まえて、あの境地に至ったというわけですね。やっぱり大空寺あゆ最高だわ。
この関係性から突き崩す感じはフルリニューアルの君いた、みちるシナリオにも見られる側面ですね。みちるの解説は多分やってるので端折ります。
ツンデレ大全にもその名を刻んだ、エロゲツンデレ界のエース『パルフェ』花鳥玲愛は、突然天才肌の義理の姉が出来てしまい、自らの長所である努力家な部分がなかなかわかってもらえなくなったが故に、それを見せないが如く(義姉みたいにとも言えるでしょうか)振る舞い、努力家な部分を認めてくれる人に、安心して身を預けていく様が最高にCoolなわけです。本人はあまり感じたことのなかった「愛情」という感情にも不意を打たれてる感じもありますね。後は姉への劣等感みたいなのも入り混じってましたね。
ここまで言えばわかりますね。繰り返しますが、「過程」が大事なんです。アンビバレントになるにはしっかりとした裏付けが必要で、だからこそ最高に愛おしくなるんです。
我ながら花鳥玲愛という、同じライター(パルフェ、WHITE ALBUM2共に丸戸史明氏担当)を例に挙げてしまうのはナンセンスだと思いますが、そこは許してください。はぴねす!の杏璃あたりを挙げればよかったんでしょうか。その辺は気が利かなくて申し訳ない。
話を戻しますが、冬馬かずさは母親の愛情というやつを、身を以て感じたことがなかったというのが大きな要因になるんだと思います。ましてや美人なルックスもありますし、ピアノを弾かせれば一級品だし。
彼女はピアノと向き合うことしか知らなかったわけです。ピアノがより上手くなれば母親も認めてくれるかもしれない、多分そういう側面もあったんでしょう。それが孤高であるが如くの振る舞いをさせてたわけです。春樹に出会うまでは。いわゆるツン期ってやつですか。言っててやだわツン期って単語。
北原春樹のすごいところは、その孤高なフリをしている冬馬かずさを好きになり、彼女を知れば知るほどその孤高感と、内面にあると本人が思っていたであろう素直な部分をなんとか引っ張り出してやりたいという思いから好きになるところですよね。文章にしてみると改めて、何考えてんだかわかんないですねコイツ。
で、ピアノを弾かない自分でも受け入れてくれる春樹に戸惑いながらも、何となく構ってくれるのが嬉しくて、徐々にその孤高の仮面を剥がされていく冬馬かずさですよ。ここに美しいまでの二面性が見えてきましたね。
で、母親に伝えたかったであろう不器用な愛情表現が春樹に通じて無事に籠絡されるんですけど、こう解説してみますと、やはりこの子はアレですね。確かにツンデレという側面もあるにはありますけど、やっぱり
犬ですね。
ここまでの解説を一気にまとめるなら、構ってもらえなかった子が、なんか面倒見てくれる子に出会ってそいつに尻尾振ったってだけですよ。その振り幅がデカすぎるっていう話ですからね。犬可愛いですね。新たな用語を生み出しましたよ、犬可愛い。皆さんも積極的に使ってください。
ざっとですがこんなもんでしょうか。冬馬かずさはやっぱ犬だったって思ってもらえれば万事OKですね。シナリオやらなくても。いややれよ。アニメでclosing3話で流れた時に「やりやがったなコイツ」ってなれますから。
というかですよ、多分解説しがいのあるのは、小木曽雪菜の方だと思うんですけど。あれほど解釈の分かれるキャラクターもなかなかいないと思うんですよ。なんでかずさ書きたかったんですかね。かずさのほうが好きだからなのと、多分キャラクターをちゃんと文章にして書いたことなかったから、直球なのを手始めに書いてみようと思ったんですかね。わかんないです。
CROSS†CHANNEL
http://www.dmm.co.jp/mono/pcgame/-/detail/=/cid=1772will329/
「エロゲやった記憶を真っさらにしてやり直したいゲームはなんですか?」
と言われたら、真っ先にこれを挙げます。このゲームの衝撃度はそれほどまでに強烈でした。これがあったから田中ロミオに囚われるようになったし、エロゲというものに呑み込まれていったのだと思います。そういう意味では非常に罪深い作品ですね。
2003年に発売された、エロゲのそのジャンルにおいては金字塔的作品です。そもそもこのゲームの知名度の広がり方、売れ方というのが変でした。
エロゲって大体、発売3日間で大体の数字が決まっちゃうんですよ。ブランドであったり、スタッフであったり、或いは体験版がということもあったりしますが、なんにせよ前評判で大体予約数が確定し、それ以上の本数が出ることはほぼありません。違法DLでその後出回ってしまうというのも大きいんだと思います。
で、このゲームも最初は全く注目を浴びていませんでした。当時田中ロミオというライターがどこの誰なのか全く知られていませんでしたし、発売元のFlyingShineも独自でゲームを発売していませんでした(開発は以前から担当してたと思いますが、販売はこれが初のはず。エロゲの販促というのもぽっと出で出来るわけではないんですね)。
当時販促で流れていたムービーも目新しいものもありませんでしたし、何よりデカかったのは今や別ブランドがゴールデンタイムでCMを流すまでになってしまった、Leaf待望の新作、「天使のいない12月」の発売日と被ってしまっていました。当時で言えば恐らくRUNE、キャラメルBOXが対抗馬になるんでしょうか。Augustもこの作品で知名度をグッとあげた印象もありますね。RUNEの「Ricotte」も名作ですよ。このブランドはロリータのイメージしかないかもしれませんけど。
なんにしても上記のブランドがこぞって作品を発売した日だったので、より一層注目度は下がり(そもそも上がり目もなかったんですけど)、その辺の学園モノのエロゲとして消えていく
はずでした。
突貫者からあがってくる感想が明らかに熱量としておかしいんですよ。何が起こったんだとエロゲ界隈が騒がしくなり、ボヤ騒ぎになったかと思ったら最後に(あまり言葉がよくないですが)爆破炎上させたのは、既に「月姫」でその知名度を確固たるものにしていた奈須きのこ御大の日記でした。
「絶対に超えられない壁として君臨する作品」
最終的に1万本を超える大ヒット作品となり、20032chエロゲランキングで堂々の1位をかっさらっていくのでした。無名のブランドが1万本売るなんて異例中の異例なんですよ皆さん。後々、田中ロミオが誰なのかというのも人気に拍車をかけた気がします。なんでしょうかね、例えるなら「シュタインズ・ゲート」みたいな火のつき方をしたって言えばいいんですかね。伝わってますかね。
長い前フリになりましたが、そんなこんなで今日のエロゲ業界における伝説的作品となったわけなんですね。ここまで書くのに1時間ちょいかかりました。熱入ってんなー。
んで最初に戻りますけど。何で記憶飛ばしてもう一回このゲームをやりたいかって話ですよ。それはこのゲームの序盤に出てくる、あのセリフですよ。もうあの一言で全てを持っていかれます。壮大なネタバレになるんで言いませんけど。いや調べりゃ一発出るんですけど。
そこから「僕らは何を読まされているんだろう」状態に入ります。色んな意味で。この辺はそうですね、非常に選り好み分かれると思います。でも素晴らしき日々よりかは柔らかいと思います。あくまでも僕の感覚ですけど。
そして全てを読み終えた時、謎の脱力感、無力感に襲われると思います。それでも全てを回収して、確認を終えた後の読了感と満足感は、ちょっと他の作品では得られません。様々な群像劇を渡り歩いた末にたどり着く、主人公太一の結論を皆さまにも是非とも見届けていただきたいですね。
素晴らしき日々がかなり哲学に寄ってると考えると、もう少し人生観とかに寄ってる気はしますね。当時の世相というか、社会的ムーブメントを切り裂いてるのも田中ロミオの恐ろしさを体感させてくれる作品のような気がします。今でもなんでもないふりして世相をバッサリいったりしてますけど、言われてみればこの頃からやってますよね。やることエグいですね。
このゲームの話をしようとすると、ネタバレなしで走り抜けようとするのがすごく難しいんですよね。本編に関する感想とか考察に関しては、いっくらでも書けるんですけど。この辺からなんですかね、エロゲに関して色々考えたり、文章外の様々な事柄に思いをやるようになったのは。山田一時代はもっと直球的に殺しに来ていたような気がします。この辺は本人が意識的に使い分けてるのか、受け取る側が厄介になっていったのか、世間がそうさせたのか。なんにしても一つの方向性を示したという意味では避けては通れない作品なんでしょうね。
さて、ここからは余談になりますので、興味ない方は。
2003年というのは、ふと振り返るとエロゲにとってエアポケットな年だったなあと。勿論上記のCROSS†CHANNELが生まれたという意味では物凄いモンスターを生み出している年なんですけど。
先程挙げたLeafの「天使のいない12月」は、今考えるとメンヘラチックな女が出てきた先駆け的な作品ですし、Augustもこの「月は東に日は西に」がアニメ化、人気ブランドへ足を踏み込んだ一作を発表しています。
ただ当時発売直後の評価としては、あくまでもLeafのブランドの力で話題になっていて、ちょっと期待外れだったのかなあという風潮でした。Leafとしてはこの前後、「Routes」、高橋作品のリメイクや「鎖」等、少し印象の薄い作品が続きます。「うたわれるもの」というビッグすぎるタイトルに霞んでいる、とでも言いましょうか。Augustもまだ一大勢力と呼べるほどのブランド力があったわけでもありません。「夜明け前より瑠璃色な」、「FORTUNE ARTERIAL」で地位を固めたような気がします。
他にもニトロプラス「沙耶の唄」、「斬魔大聖デモンベイン」、Xuse「永遠のアセリア」、戯画「ショコラ」、F&C「こなたよりかなたまで」等、列挙してみるとオタクなら何となくは知ってるタイトルが並ぶものの、やや小粒な印象が拭えない年とも言えます。デモベを小粒扱いするのも変な気がしますけど。あれスパロボ出てんだぞ。
その中を田中ロミオが一閃した年だったのかなあと、今振り返れば思ったりします。それくらい電撃が走った作品とも言えました。アリスの「大番長」が予想を超えてこなかったのも大きかったのかもしれません。面白いんだけどね。
歴史として振り返れば色んなゲームがあって様々な角度から見られるのかもしれませんけど、当時の観点からすると評価が分かれる作品が多かったなあと思ったりしてます。
ちなみに僕のHN、ゆきうたもこっそりこの年に発売されました。やっぱり色んなゲームに富んでる年だなあ。
追記
ちょっと読み返しましたが、アセリアを小粒扱いはアレですね。高瀬奈緒文先生の代表作でもありますし。やっぱりエアポケットというよりかはエポックメイキング的な年で、多様性に富んだ、と表現した方が的確かもしれない。
あ、後、愛奴隷は僕のなので。
Re:Lief 〜親愛なるあなたへ〜
http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/rask_0001/
チラッと調べてみると、サジェストでパクリって出るんで「あーそうねえ。そう取られてもしょうがないよねえ」なんて思いつつお話ししてみようかと思います。エロゲって既にメインストリームから置き去られてしまった紙芝居と呼ばれる部分もあるし、わざわざムキーとなるのも違う気もしますしね。
でもなんでしょうかね。それでもエロゲはやっぱり好きなんだよねっていう人たちが根強く作ってくれてるんだと思いますし、メインストリームから置いていかれたオタクたちが未だに集まって小規模にわいわいやってる、今のエロゲ界隈も好きです。そもそもが「オタクならエロゲは通ってるものである」とされていた時代がおかしかったのかな、とも思います。業界がどんどん縮小していくのは寂しいものがありますが、 今の方が正しい姿なのかななんてぼやいてみたり。
でもメインストリームであった時代のエロゲも駆け抜けてる僕なので、やっぱり人生観とか、僕の中の核の部分となるものはエロゲからも形成されてるんだろうなと思います。あの頃の大人たちは未だに作品を提供したりしてくれてて、嬉しいやらなんやら。
閑話休題。なんでこんな話をしたかというと、そういうものを再確認してみようというか、かつて通り過ぎた時代から色んなものを取り返してみよう、みたいなことが、テーマとして転がっている作品です。なんですか、やっぱりかなりタイトルが近しいアレがよぎってる皆様は恐らく利口ですよ。
でもエロゲって企画に何年も費やすことがあるんで結構被ったりみたいなのはあると思いますよ?一応のフォローだけしとくと。
近年1√だけで殺しにくるとか、ワンシーンの一挙加勢、みたいなゲームが減ったような気がします。全体を通してのゲームをこなすことで全てが完結する、みたいな。全体としてゲームの作りが丁寧、的な。
「いやおっさん何言ってんの、ゲームなんだから全体通さないと面白い面白くないなんてわかんないでしょ」なんて仰る方いるかもしれないんですけど、かつては結構そうでもなかったんですよ。現に2015年の金字塔、『サクラノ詩』は、制作期間が長すぎたせいなんでしょうけど、「あー、この√ってかつて作ろうとしてたゲームの名残なんだろうな」みたいな話ありますからね。俺の真琴最高なんだけどね。
後はアレですか。シナリオライター毎で明らかに出来が違うな、みたいなのも少なくない業界でした。その出色が濃かったのは『Rewrite』とか。アレも全体通してみると見えてくるものは違いますけど、他ライターが書いたのが明らかにわかる、ちょっと荒さの出た作品のような印象を今でも持っています。もちろん複数で書いたが故にがっちり噛み合った怪作も、エロゲ業界広いので存在します。マイナーですけど『長靴をはいたデコ』とかね。
んで、また話逸れたんで戻しますけど。
このゲームも、全体を通した物語が存在して、派生として各ヒロイン√が存在する、みたいな作りです。当時の僕はこんなことを呟いています。
https://twitter.com/yukiuta/status/869488920878305281?s=21
どうしてもヒロイン達がグランドエンドへの布石になってしまいがちではあるんですが、一本の物語として通してみると綺麗かつ丁寧に描かれている、今時の作風だなあという印象を強く受けました。
他の特徴としては、ものすごい力強いメッセージ性というか、強烈なセリフというのがあったわけでもないっていうのもあると思います。こういう言い方をすると悪く聞こえるかもしれませんが、全体を通しての雰囲気としてのメッセージが、じんわりと伝わってくる感じがまたいいなあと。
どこが良かったとか、このシーンは絶対に見とけとか、そういうゲームではないんですよ、これ。オチが衝撃的なわけではないし、展開としてもなんとなくは読めますし。ただ全体としての作りの丁寧さが伝わってくるので、そこを堪能してもらえるといいなあと。
こういう作品がちゃんと表に出てくるのは、なんというかこれも時代なのかなあという気がします。かつてだとまず作られ辛かったのかなって気もしますし、もし作られてもなかなか評価されなかったような気もします。良くも悪くもインパクトの強い作品が目立つってのがあったのかなあって。うーん、でもとらハとかもあったしなあ。全部をくくるってのも良くはないかなあ。時代の考察とかもちょっとしてみたいですね。この時代の作品のランキングを振り返ってみると〜的な。
これを強く推したいとか、ここを見て、とかいう作品ではないです。ただちょっと社会に疲れちゃったエロゲに親しみのある諸兄に対して、優しく背中を押してくれるような、温かみ溢れる物語になっています。強くもなく、かと言って何も残らないわけでもなく。こういうのでいいんだよ、こういうのでって感じですかね。
結構横道に逸れつつも、少し熱の入った文章が書けたような気がします。ちょっとだけ気合い入れて書いてみたいなあと思って、今までちゃんと文章にしたことないゲームを叩き台にあーだこーだしてみました。
というのは、10年くらい前に個人で持っていたサイトの文章を発掘しまして。なんていうか、今でも大してまとまった文章書けないのに、さらにとっ散らかってて、「よくこんなんをネットの海に垂れ流してたなあ」なんて変な関心をしてしまったんですけど。ただ当時の熱量みたいなものはすごく見えて。そこだけは今より確実に優っている文章だなあなんて思ってしまって。
だったら今の僕がちょっと熱入れたらどうなんのかななんて思って書いてみたんですけど、なかなかどうして、集中力が保たないですね。何時間もテキストエディタに張り付いてよーかけたもんだなあと。SNSの手軽さに慣れてしまっているという側面も否めないとは思いますけど。また忘れた頃に長文限界オタク欲が湧き上がってくるかもしれません。自分でも何言いたいんだかよくわかんないですけど。
MUSICA!のCFすごいですね。まだこの熱量が業界に残ってたんだなと思うと、なんだかよくわからない気持ちになります。今だバカやろう的な感じですかね、多分。
後は買ってないけど欲しいリストや、今後出るから買おうリストが何点かありますので、その辺の回収もしたいなあと。はぴねす!2の元長柾木で何がしたいのか感がすごいってのが、個人的には割とホットです。
俺たちに翼はない
全国1500万人の微笑みジェノサイドファンの皆さんコンドルワ。気づいたら夏真っ盛りでしたけど、それはしょうがないかなって思うんです。にんげんだもの。
というわけでね、王雀孫ですよ。王雀孫。
元々BasiLというメーカーに、西又葵先生やアッチョリケ氏他と所属、そこで僕の長らく嫁として君臨し続ける八重樫つばさが出演した、『それは舞い散る桜のように』をリリース。意味深というか、ちょっと不思議な終わり方をしたせいで当時から続編の話も囁かれましたが、上記の制作陣と独立、現在でも続くNavelへ。『SHUFFLE!』や『つり乙』等でも有名ですね。
SHUFFLE!の発売が2004年なんですが、その後の2作目として俺つばは発売される予定だったのですが、これが延びに延びて、本編を発売したのは2009年。理由は単純、メインシナリオの王雀孫が、あまりにも遅筆だったから。
奇しくも2009年というのは、エロゲでいうと激戦の年でした。大作で言えばDies ireaの続編やBALDR SKY、装甲悪鬼村正、真剣で私に恋しなさい!や、他にもナツユメナギサやましろ色シンフォニーなど、業界の衰えをまだまだ感じさせない年でした。こうやって並べてみるとなかなか壮観ですね。
度重なる延期、上記の作品たちもあり、ハードルが上がり続けた俺つばでしたが、エロゲオタからは大絶賛をもって迎えられることとなったのでした。アニメ化もしたし。
じゃあ王雀孫の何がそんな魅力的かっていうと、ぱっと見のテキストのテンポの良さ。笑えるエロゲというのも振り返れば何作もありますが、氏に日常会話で右に出るものはなかなか居ないのでは。雪村小町とか鳳鳴とかにやられたでしょう?皆さん。僕もです。
しかしその中に内包する、強いメッセージ性も王雀孫の魅力です。このゲームは当時エロゲでは地雷と言われていた複数の主人公視点で展開され、章ごとに分かれて話が進みます。1章なんかは結構暗めの構成で、意外とそこで敬遠されてしまった節もあるのかもしれません。
が、この各章が結びつく瞬間と、タイトルに引っ掛けたセリフの強い訴えが出てきた時に、テンポの良さとは違った意味で度肝を抜かれました。構成力も見事です。細かい伏線というか、芸が効いてるのもポイントが高いです。「ああ、だからこの子ヒロインじゃないのか」みたいな。ネタバレになんのかな。まあいいや。コーダインを攻略できないのはあの虚淵玄から「バグ」だと言わしめたからね、しょうがないね。コンシューマに移植されてこのバグは修正されたようですが。
このゲームから勇気をもらったエロゲオタも少なくないのではないでしょうか。回せ回せ!チャンネル回せ!
でも、今思い返してみれば、それ散るもメッセージ性はかなり近かった気がしますよね。小町がかなり近いセリフを言ってましたし。
俺つばもそれ散るもそうですが、いくらでも深読みしようとすれば出来るってのもすごいですね。氏の好きな児童文学の影響が強いんでしょうか。
もうこのゲームも9年前ですか。本当に歳をとりましたよ。Vitaあたりでプレイできると思うので是非。
アニメは…うーん、12話で語ろうとするのが難しかったかな、という印象。入りは上手いと思うんですけど。
ひのえり俺のな。
エロゲメモ
Twitterだと忘れるので、ここに書いておきます。
車輪の国、向日葵の少女のお姉ちゃんおんぶして担ぐシーンと、G線上の魔王の階段を降りるシーンは、多分意図的に印象が被るように書いたんだろうな。あそこで終わらせると印象付けてやる、ある種の意趣返し的な側面等もあると思うけど。
これは憶測と願いから産んだ僕の単なる妄想な可能性もあるけど、るーすぼーいならそれくらいやってくれとも思う。ただ作品間で世界観を継承してるわけでもないから、やりすぎかなと思ったり、思わなかったり。
シーン検証するともう一回人間の強さを思い知らされなきゃいけないのと、辿り着くまでが長い(どうせ最初からやり直してしまう)ので、多分やりません。
以上、仕事しながらふと思い浮かんだ考察でした。同ライターの作品間の世界観継承がないと、あまりこういう考察って意味ないのかななんて思うんですけど、エロゲやる考察好きという理屈バカの皆さんはその辺もいかがお考えでしょうか昨今。この仮説思いついた瞬間は脳ミソジンジンしましたけどね。ただの自前のうつがひょっこりはんしただけかもしれませんけど。
僕の最近ですか?上記した野郎となんとか日毎の距離を取りながらなんとか仕事してる的な感じです。生きてます(柴田勝頼並の感想)
はつゆきさくら
http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/vsat_0158/
みんな大好きSAGA PLANETS!
というより、本来やっちゃいけない年齢の子に支持されてるような気もしますが、どうなんでしょう。コンシューマでも出てるからね、しょうがないね。
ということで、新島夕サガプラ最後の作品となった、はつゆきさくらの話でもしようと、今日もココイチでカレー食いながら思いつきました。なんなんでしょうかココイチ。謎のブログ欲が湧いて来ます。
元々陵辱系の激しめな作品を書いていたサガプラでしたが、新島先生が入ったあたりから、一気に今の路線にシフトしましたね。かつてはTAMAMI先生が書いていたり、I've電波ソングの金字塔とも言える恋愛CHU!を出してたりと、意外と歴史は長いんですよ。面白いね。
さて、そんな中で新島先生が人気を博したのが、四季シリーズ。ナツユメナギサなんかはかなりの人気作でしたね。ナツユメナギサの話もそのうちしたいな。そのうちだけど。
んで、その最終に当たるのが、はつゆきさくらです。まず、キャッチコピーがベタですが秀逸です。
「初雪から桜まで、卒業おめでとう」
いいじゃないですか。この一文だけでグイーッと寄せられますよ。さぞかしそういう感動系で攻めて来るんだろうなって思ってプレイすると、いー感じにぶっくら返されます。元々新島先生はそこそこの鬱要素をぶち込んで来る方ですから、そこは察しないといけませんよ皆さん。
このゲームの根幹を担うのは、「復讐」と「卒業」。ただこの「復讐」という根幹が、ゲームをやっていくうちに違和感へと変化していく。
こいつのしたい「復讐」って何?っていう具合に。
それが昇華され、「卒業」、はたまた「応援」へと変貌を遂げていく展開の美しさは素晴らしい。最終的に色んなものから卒業して行く彼らの姿を、暖かく見守ってほしいなあと。
ナツユメナギサもそうなんですが、このはつゆきさくらも、キャッチコピーとタイトルが全てを物語っているっていうのが、またひとつの物語として大変美しい。そういう意味で、新島先生の構成力ってのはかなりのものだなあと思います。
ひとつのルートだけで評価されてしまいがちな側面を、エロゲというのは持ち合わせているような気がしますが、彼に関しては違う。各ルートに散りばめられた違和感が最終的に昇華されていく様は、「ああ、やってよかった」という圧倒的な読了感をもたらしてくれるはずです。
まだ市場ではそこそこの値段で推移してるようですが、これも是非やっていただきたい一本ですね。ただ難点を挙げるとすれば、基本的にすぐバニッシュされちゃうところですかね。やればわかる。
後KOTOKOだったり、fripsideだったりってのも人気の一翼を担ってるような気がします。実際前知識なしでゲームを始めた僕は、fripsideの曲とOPムービーで、
「え、そういう話なん?」
という感想を持ったのをよく覚えてます。いや、新島先生がそんな一筋縄の話書くわきゃなかったんですけどね、冷静に考えたら。
小坂井綾俺のな。
次?知らん
秋色恋華
https://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/B000A8SZIQ/358-5023346-2334803?bc=1
結局ちょっとしたマイナーゲーを紹介するという、何とも謎な展開に。いや、好きだからこそこのゲームにあえて焦点を当てたいんだけどね。
今では明日の君と会うためにや未来ノスタルジア、アマツツミ、ハピメア等、ヒット作を生み出し、エロゲー界に確かな地位を築いたpurple software。そうですねえ、紫の話しますか。
元々purpleというブランドでゲームを作ってたんですが(Lien〜終わらない君の唄〜は、初期の名作と言ってもいいかもしれません)、親会社が変わってから現在の名称に。
このブランドの大きな分岐点の一つに、このゲームのキャラデザも担当されていた、岩崎孝司氏の起用があります。彼の描くキャラがまあ可愛いんですよ。その魅力に引っ張られるように、purple softwareも認知されて行くことになります。
その初期の初期、紫の名をエロゲ界に認知させることになった作品に、夏色小町という作品がありまして。爽やかな世界観に岩崎氏の絵がマッチして、スマッシュヒットを飛ばしました。その季節モノシリーズと言ってはなんですが、そこそこのハードルの高さを持って秋色恋華は発売されました。
このゲームに横たわるテーマは「秘密」。人間誰しも何かしらの、人には言えない秘密を持って生きている。それは可愛らしいものから、なかなか人に言い出せないことまで。それを主人公がほぐしてやるというよりかは、一緒に共有することによって、ぐーっと距離感が縮まっていくようなストーリーになってます。
なんでしょうかね。やっぱり岩崎氏の絵が可愛いのは言うまでもないんですけど、それに引っ張られるかのような、秋の暖かさと儚さみたいなものを、あっさりと、でも確かに描いてる感じが、このゲームのポイントなんでしょうかね。
人物の配置の仕方としては正直ベタなんですけど、そこに秘密のワンフックを引っ掛けることによって、可愛いだけで終わらせなかったのもこのゲームの売れたポイントかもしれません。意外とグッとくるんですよ、この作品。2005だとパルフェが強すぎるんで、ちょっと影に隠れてる感ありますけど。
個人的にオススメのキャラクターは、妹の葵。これもベタな妹に見せかけて意外とそうでもなくて、でも最終的に落ち着くところが割とありがちな妹ルートみたいな、やや不思議なオーラを放ってる子です。後可愛い。後彼女のテーマソングもいい。インストのキャラクターテーマでいうと、僕の5本指に入るぐらいには印象に残ってます。
なんでここまで葵好きなんだろう。その辺は自分でもよくわかりません。
岩崎氏の絵に引っ張られた単なる萌えゲーなのかと思いきや、ワンフックかかったことによってシナリオも綺麗にまとまっている、作品としてなかなか完成されている一作だと思います。シナリオがそこまで突出してるかと言われると、んなことないんだけど。「はいはい、量産型量産型」って感じではないのも確か。
当時の流行に乗っかった感(雰囲気が)はありますけど、現在の紫とは少しテイストの違う、紫の原点に近いものを感じられる作品なのかな、となんとなく思います。可愛さで押す、みたいな。
今の紫はシナリオも見事に融合しているので、作品全体のレベルが高いと思います。元々個人的にはシナリオさえ噛み合えば売れると思ってたブランドなので、紫が評価される時代が来てよかったなあとおっさんは思ったりしてます。
そうなる前、岩崎氏が牽引していた紫作品も悪くないんやでみたいな話がしたかったんですかね。なんか違う気もしますがまあいいです。さっきも言いましたが、秋色恋華自体、しっかりまとまってる作品なんで、結構楽しめると思います。
後、取ってつけたように言っておきますが、この曲のOP、橋本みゆきの「秋色」もなかなかの名曲なので、聞いてみてください。
https://m.youtube.com/watch?v=n1OyU3wFUK0
春色逢瀬、てめえは許さねえ
次回はなんの話をするんでしょう。全くわかりません。今日もココイチで晩飯を食ってたらふと書きたくなっただけなので。